「塾の正社員はきつい」「塾講師の正社員は大変そう」。教育業界への転職を考えて調べると、こうした言葉を目にすることがあります。夜型の勤務なのか。休みは取れるのか。生徒さんを教える以外に、営業や数字の責任まであるのか。入社前に気になる点は少なくありません。
塾の正社員は、たしかに楽な仕事ではありません。ただし、何を一人で抱えるのか、誰と分担できるのかで、働き方は大きく変わります。この記事では、仕事の性質上なくならない大変さと、会社の設計によって増減する負担を分け、ミライ株式会社の実態も紹介します。
結論:塾の正社員には大変さがある。ただし、きつさは会社の設計でも変わる
結論から言うと、塾の正社員には、きついと感じやすい部分があります。生徒さんの進路に関わる責任があり、保護者対応、講師育成、集客、校舎の数字にも向き合います。ミライも例外ではありません。
一方で、同じ塾の仕事でも、何を一人で担当するのか、誰に相談できるのか、休日が実際に取れるのかによって、負担の種類と強さは変わります。「塾業界だから一律にきつい」と判断するより、仕事そのものの大変さと、会社の運営設計によって増える大変さを分けて見ることが大切です。
塾の正社員は、実際に何をするのか
塾の正社員の仕事は、生徒さんへの指導だけとは限りません。会社や役職によって範囲は異なりますが、校舎運営に関わる仕事には、次のようなものがあります。
- 生徒さんとの面談、学習計画の作成と調整
- 保護者面談、問い合わせ対応
- 入塾を検討している生徒さん・保護者との相談
- 講師の育成、シフト管理、方針共有
- ブログ、SNS、チラシなどの集客施策
- 塾生数、売上、退塾などの数字確認
- 校舎運営に関する判断と改善
ミライの正社員も、教務から経験を積み、校舎長候補としてこれらの仕事を段階的に学びます。「生徒さんに勉強を教える仕事」だけを想像して入社すると、業務範囲の広さにギャップを感じる可能性があります。

売上、チーム、生徒対応。校舎長が「自分の会社」として見るもの
塾の正社員がきついと感じやすい7つの理由
1.勤務時間が午後から夜になりやすい
生徒さんが学校を終えてから来校するため、塾の勤務は午後から夜になることがあります。ミライの勤務時間は13時から22時です。午前中を使いやすい一方で、一般的な昼型勤務の家族や友人とは生活時間がずれる可能性があります。働きやすいかどうかは、本人の生活条件によって変わります。
2.時期によって、入塾相談や生徒相談が増える
繁忙期には、通常より対応量が増えます。ミライでは、3月・4月や7月頃に入塾を希望する生徒さんからの相談が増えます。受験直前期には最後の追い込みに入り、生徒さんからの学習・進路相談も増えます。
ミライでは休日出勤は滅多にありません。ただし、繁忙期でも仕事量がまったく変わらないわけではありません。どの時期に何が増えるのか、入社前に確認しておくと働く姿を想像しやすくなります。
3.塾ごとの指導方法や教材について、継続的に学ぶ必要がある
塾によって、身につける指導方法や教材の知識は異なります。ミライでは特に、参考書に関する知識の習得を大変に感じる人もいます。名前や特徴を覚えるだけでなく、どの生徒さんが、どの時期に、どう使えばよいのかまで理解し、学習計画へ落とし込む必要があります。
研修や資料があっても、本人が学び続ける負荷そのものがなくなるわけではありません。知識を覚えることに加え、目の前の生徒さんに合わせて使える状態にするまでが仕事です。

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4.生徒さん・講師・親御さんで、関わり方を変える必要がある
塾の正社員は、立場の異なる人と継続的にコミュニケーションを取ります。生徒さんには学習を続けられるよう伴走し、講師には方針を伝えて育成し、親御さんには現状や今後の計画を説明します。同じ話し方で全員に伝わるわけではありません。
対人対応が思うようにいかない時や、相手に応じて伝え方を変えることに強い負担を感じる人は、この仕事をきついと感じる可能性があります。最初から得意である必要はありませんが、対話の仕方を学び続ける必要はあります。
5.指導以外の仕事まで担当範囲が広がる
校舎運営を担う会社では、生徒対応だけでなく、講師育成、集客、数字確認、業務改善も仕事に含まれます。一つの作業を繰り返す仕事ではなく、日によって向き合う課題が変わります。指導だけに専念したい人にとっては、この広さが負担になることがあります。
6.生徒さんの進路と、校舎の数字の両方に責任がある
生徒さんの成績が伸び悩む時期や、第一志望に届かなかった時にも向き合います。同時に、校舎運営では塾生数、売上、退塾といった数字も確認します。人への向き合い方と、事業としての結果を別々に扱うことはできません。
ミライでは、校舎長と教務が毎月同じタイミングで数字を確認します。数字を誰かを責めるためだけに使うのではなく、校舎の状態を知り、改善策を考える材料として扱います。ただし、成果が数字で見える厳しさまでなくなるわけではありません。

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7.業務を抱え込むと、判断する時間がなくなる
校舎長が事務、面談、現場対応、確認作業を抱えると、校舎全体を考える時間が減ります。ここは会社の設計だけでなく、校舎長本人の成長段階によっても変わります。
講師や教務へ任せることが苦手で、「自分でやったほうが早い」と動き続けるほど、仕事は増えていきます。任せ方を身につける過程については、別の記事で詳しく紹介しています。

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「きつい会社」と「大変でも続けやすい会社」は、何が違うのか
仕事の性質上なくならない大変さとは別に、会社の運営方法によって増減する負担があります。転職先を比較するときは、求人票の印象だけでなく、実際の運用を確認する必要があります。
| 見る項目 | 負担が集中しやすい状態 | 転職前に確認したいこと |
|---|---|---|
| 人員配置 | 判断と実務が特定の社員に集中する | 校舎に誰がいて、それぞれ何を担当するか |
| 業務分担 | 校舎長が事務や定型業務まで抱える | 講師・教務・事務担当へ任せられる範囲 |
| 数字の扱い | 結果だけを個人に背負わせる | 誰と数字を見て、どう改善策を決めるか |
| 休日 | 制度と実際の運用が一致していない | 通常期と繁忙期の取得状況、休日出勤の頻度 |
| 育成 | 十分に学ぶ前から一人で判断する | 入社直後から校舎長までの担当範囲の広がり方 |
| 相談経路 | 難しい判断を一人で抱える | 上長・SV・他校舎へ相談できる具体的な場 |
ミライが、負担を一人に集中させないためにしていること
ミライでも、夜型勤務や対人対応、学び続ける負荷、数字への責任そのものがなくなるわけではありません。そのうえで、一人に負担が集中しないよう、育成と役割分担を設計しています。
入社直後から、すべてを一人で任せない
入社直後から、校舎運営のすべてを一人で任せるわけではありません。まずは教務として、マニュアルやナレッジデータベースで基礎を学び、先輩の面談に同席します。その後、自分で生徒対応や面談を担当し、先輩社員やSVからフィードバックを受けながら、担当範囲を広げます。
成長の速度には個人差があります。早い人では1年ほどで校舎長になるケースがあり、2年、3年かけて進む人もいます。期間だけで区切るのではなく、体系化されたスキル項目、仕事への姿勢、3ヶ月に1度の定期面談をもとに、どこまで任せられる状態になったかを見ています。

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校舎長になっても、全部を自分で抱えない
校舎長になった後は、すべてを自分で抱えるのではなく、講師・教務・SA(校舎を事務面から支えるスタッフ)へ業務を分担します。校舎長が最後まで持つのは、長期戦略、重要な施策の最終確認、人材や予算に関する最終判断です。定型業務や現場オペレーションは、メンバーの成長に応じて任せていきます。
判断を一人に閉じず、相談できる場を複数つくる
相談と学習の場も一つではありません。日々の校舎ミーティング、先輩社員によるOJT、SVとの定期面談、月1回の校舎長会議、ナレッジデータベースを重ねています。内製システムやAIを使い、記録や報告などの定型作業を減らす取り組みも続けています。
講師や教務の育成には、システム、マニュアル、研修用スライドなどを使います。教える内容と手順を一から作る負担を減らすためです。それでも人へ任せることに詰まった場合は、上長と、伝え方や任せる順序、育成の進め方を整理します。
生徒さんの進路も、担当者一人では決めません。第一志望へ挑戦する場合は、現在地や残り期間を校舎のメンバーで分析し、過去の受験事例やデータも参考にします。そのうえで、安全校を含む併願校を組み合わせ、挑戦とリスク管理の両面から進路全体を考えます。複数の視点を持ち寄って判断できる運用です。
残業・休日は、数字も含めて正直に伝える
勤務は13時から22時で、現在、残業時間は月10時間程度を目安に運用しています。教務と校舎長で、残業時間に大きな差はありません。完全週休2日制で、繁忙期を含めても休日出勤は滅多にありません。ただし、年間休日は107日です。この数字を多いものとして見せるのではなく、自分の希望する働き方と合うかを確認してほしいと考えています。
仕組みがあっても、まだ解消しきれていないこと
役割分担や育成の仕組みを整えても、任せ方がうまくなるまでには時間がかかります。最初は「自分でやったほうが早い」と感じ、講師や教務へ業務を渡しきれない場面もあります。校舎運営の品質や時間の使い方に個人差が残ることは、会社としてもまだ弱い部分だと認識しています。
仕組みは、本人の代わりに学び、対話し、判断してくれるものではありません。会社として標準化と支援を進めながら、最後は本人がフィードバックを受け入れ、必要に応じて自分のやり方を変えることが必要です。
塾の正社員に向いている人、慎重に考えたほうがよい人
向いている可能性がある人
- 生徒さんへの関わりと、数字や段取りの両方に向き合える人
- 指導だけでなく、講師育成や校舎の仕組みづくりにも関心がある人
- 参考書や受験情報を継続的に学べる人
- 相手に合わせて伝え方を考えることに前向きな人
- 午後から夜の勤務が、自分の生活に合う人
- フィードバックを受け、必要に応じてやり方を変えられる人
慎重に考えたほうがよい人
- 生徒さんへの指導だけに専念したい人
- 保護者対応、講師育成、集客、数字には関わりたくない人
- 継続的に新しい知識を学ぶことへ強い負担を感じる人
- 立場の異なる人との対話をできるだけ避けたい人
- 結果が数字で見える環境を避けたい人
- 夜型勤務が家庭や生活条件に合わない人
一つでも当てはまれば不向き、という意味ではありません。ただ、入社後にギャップを感じやすい点として、応募前に確認しておくことをおすすめします。
転職前に確認したい7つのこと
| 確認項目 | 面接で聞くこと | 見るべきポイント |
|---|---|---|
| 勤務時間 | 実際の出勤・退勤時刻と月間残業時間は? | 求人票と日常の運用が一致しているか |
| 繁忙期・休日 | 仕事量が増える時期と休日出勤の頻度は? | 制度ではなく実際の取得状況が説明されるか |
| 仕事の範囲 | 指導以外に何を担当するか? | 保護者対応・集客・数字管理まで具体的か |
| 育成 | 入社後、どの順序で仕事を任されるか? | 十分に学ぶ前から一人で任されないか |
| 役割分担 | 校舎長・教務・講師・事務担当の分担は? | 特定の社員へ業務が集中していないか |
| 数字の扱い | 数字が悪化した時、誰と改善策を考えるか? | 個人への圧力だけで終わらないか |
| 相談経路 | 難しい生徒・保護者対応は誰に相談できるか? | 具体的な相談相手と場が用意されているか |
求人票に制度が書かれているかだけでなく、実際にどう運用されているかまで聞いてみてください。特に残業、休日、役割分担、相談経路は、具体的な例を確認することをおすすめします。
まとめ:「塾だからきつい」ではなく、何が大変で、どう支える会社かを見る
塾の正社員には、夜型勤務、学ぶ範囲の広さ、立場の異なる人とのコミュニケーション、生徒さんと数字への責任があります。これらをすべてなくして、楽な仕事だと説明することはできません。
一方で、入社直後から何を任せるか、業務を誰と分担するか、困った時に誰へ相談できるかは、会社によって設計できます。転職を考える時は、「塾業界はきついらしい」という評判だけでなく、自分が負担に感じそうな点と、応募先がそれをどう支えているかを具体的に確認してください。

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塾の正社員という仕事には大変さがあります。だからこそ、入社前に仕事内容、勤務時間、役割分担、相談できる体制を具体的に知ることが大切です。ミライの働き方が自分に合うかを確認したい方は、校舎長候補の募集要項やFAQもあわせてご覧ください。


