「自分の会社だと思って、自発的にやってくれ」だけで任せていた時代
ミライは 8 年の運営で、組織の中身を大きく変えてきました。その出発点になっているのは、「マインドだけで任せていた」時代の率直な振り返りです。
ミライには、マインドを核に置く文化があります。「校舎は自分の会社だと思って、自発的に経営者として運営する」——この言葉は、今も社内で繰り返し共有されています。
ただ、この姿勢を持っているだけで、誰でも結果が出るわけではない。それを 8 年の運営で、ミライは身をもって知ってきました。
2018 年から 2021 年あたりまでのミライは、「マインドだけで任せていた」会社でした。各々に任せきりで、仕組み化・システム化が会社として追いついていなかった。マインドの強い人が独力で結果を出す、という前提で組織が動いていたのです。
その結果、個人差で結果がはっきり分かれていきました。
個人差で結果が分かれていた事実と、「残れた人もいたんじゃないか」という気づき
当時のミライでは、メンバーの特性によって結果がはっきり分かれていました。
- 営業が元々得意なメンバーは、対人力で塾生数を伸ばして結果を出していました
- 育成が得意なメンバーは、講師を育てきって校舎を大きくしていきました
- そうではないメンバーは、なかなか結果が出ない時期が続きました
- 業務量に押しつぶされて、苦しい時期を抜けられないメンバーもいました
そして、当時続けられなかったメンバーもいました。
率直に言えば、会社の責任だったと、今は認識しています。
残れた人もいたんじゃないかな
あるメンバーの言葉です。仕組みが足りなかったのは、メンバー側の力量の話ではない。会社の側の整備が追いついていなかったからです。だからこそ、「離れていった」ではなく、「残せなかった」と会社の責任として引き受けるべきだと考えています。
もっと仕組みが整っていれば、無理なく業務を習得できて、校舎での存在感が高まり、重要な仕事を任されてやりがいを感じて、結果も出せていた——その好循環を、当時の会社は支えきれていませんでした。
仕組みに投資し続けてきた 8 年
武田塾FC本部から提供されるメソッドや教材、本部開発の仕組みは、もちろん最大限に活用してきました。ただ、それだけでは届かない領域は実は多く、社内の仕組みづくりから業務システムの開発まで、ミライ自身で考え、自分たちの手で組み上げてきた部分がたくさんあります。仕組みに投資し続けてきたこの 8 年は、その内製の積み重ねでもあります。
起点は、社内ポータルだった
最初に取り組んだのは、社内ポータルサイトの構築でした。校舎運営に関わる様々な情報を、そこに集約して共有できるようにする。
あるメンバーは、これを次のように呼んでいます。
情報の民主化
それまで、経験のあるメンバーの中にしか溜まらなかった判断や対応パターンを、誰でもアクセスできる形でストックしていきました。マニュアルやスライド資料も拡充して、新しく入社したメンバーや講師の育成がスムーズに進むようにしました。
同時に大切にしてきたのは、現場の改善提案や課題の気づきが、組織全体の仕組みに反映されていく動きです。誰かが個別に気づいた改善点を、ポータル・マニュアル・ナレッジに残し、組織のかたちへと変えていく営み。個人技として消えてしまわず、組織として共有・蓄積されていく構造を、何度も繰り返し作ってきました。
その結果、ナレッジは個人ではなく、組織にデータとして残る構造になりました。
校舎ごとの売上・支出・利益が校舎長に共有されている数字のガラス張りと、業務知見が組織にデータとして残るこの取り組みは、同じ「情報を開く」というミライの設計思想に立っています。

業績報奨 平均50万・最大150万円超。根拠は校舎の数字にある
一番効いたのは、マーケと入塾プロセスの内製
ポータル・マニュアル・データベースが揃っても、それだけでは校舎運営の細部までは届きません。
業務システムを内製する判断を、ミライは下しました。市販ツールでは、ミライの校舎運営の細部の動きにはフィットしなかったためです。
中でも一番効いたのは、マーケティングと入塾プロセスを管理する内製システムです。
導入前は、情報がバラバラなところに散らばっていました。マーケの数字、問い合わせの状況、面談の予定、入塾後のフォロー——それぞれが別のシートや別のシステムにあり、業務の中で何度も画面を横断する必要があった。記載も大変で、せっかく入っているデータを活かしきれない状態でした。
今は、これらが全て統合されています。
欲しいデータが、欲しい UI で手に入る
あるメンバーの言葉です。マーケの数字を見ながら、その場で入塾の動きが見える。校舎ごとの数字も並列で確認できる。校舎長・教務・サブSV が同じ画面で同じ数字を見ながら判断できる状態が、ようやく揃いました。
その先にあるのは、AI 活用
仕組みの次のレイヤーは、AI 活用です。
「仕組みで個人差を埋める」段階から、「仕組み自体が、個人を支える側に回り込む」段階へ。マーケ・入塾・成績管理・講師研修——これらに、AI が次の支援を加えていきます。
- 01〜 2021 年頃マインド先行期マインド「自分の会社だと思って自発的に経営者として」だけで任せていた時代。マインドの強い人が独力で結果を出す前提だった
- 022021 年頃 〜仕組み投資期マインド社内ポータルマニュアル / スライドナレッジデータベース情報の民主化を起点に、組織のかたちで残せる構造を一つひとつ整えてきた
- 03現在 〜両輪期マインド内製の業務システムAI 活用への展開下から積み上げる動きマーケと入塾の内製で「欲しいデータが、欲しい UI で手に入る」が実現。次は AI 活用へ

「教える場所」では終わらない。校舎をひとつの会社として動かす理由
結果として、特性が違うメンバーも結果を出せるようになった
仕組みが揃ったことで、メンバーが結果を出すための道筋が増えました。
営業のマニュアルがあります。ロープレで実践練習できる場があります。先輩メンバーや他校舎メンバーから直接指導してもらえる機会があります。営業が得意なサブSV に質問できる機会も用意されています。勉強会も定期的に開かれています——こうした手段が、複数の場で並走するようになりました。
その結果、元々営業が得意な人はさらに伸び、特性が違う人も、基準を超える結果を出せるようになってきています。
営業が得意でなかったメンバーが、ロープレと先輩指導を組み合わせて自分なりの動き方を作っていく。育成や面談など、別の領域で強みを伸ばしてきたメンバーが、その先にある営業の場面でも結果を出せるようになる——こうした道筋が、いくつもの校舎で動いています。
「残れた人もいたんじゃないか」というあるメンバーの振り返りは、過去の反省でした。それが今は、ミライの組織を支える設計思想として効いています。
同じ「豊かさ」の定義を、生徒さんにもメンバーにも当てはめている
ミライには、明文化された豊かさの定義があります。
豊かさとは、選択肢や可能性に富んでいること
この定義を、ミライは生徒さんに対しても、メンバーに対しても、同じように当てはめてきました。
生徒さんに対しては、「行ける大学に合格してもらう」ではなく、「生徒の可能性を広げ、選択肢を豊富にした中で、行きたい大学に合格してもらう」という姿勢で校舎を運営しています。本人が行きたいと思う志望校があれば、たとえ可能性が 1% でも、それを探り続けて現実にしていく。それがミライの校舎運営です。
メンバーに対しては、「営業が得意な人だけが伸びる組織」ではなく、「仕組みで個人差を埋め、特性が違う人も結果を出せる選択肢を広げる組織」を目指して、8 年仕組みに投資してきました。
同じ豊かさの定義が、生徒さんとメンバーの両側を貫いている——8 年の運営で、ここだけはずっと変わっていません。

日曜・午前開校はFC全体に広がった。それでも、ミライにしか踏み込めなかった give がある
仕組みが整っても、最後は本人の選択 ——この 8 年に乗れる人
ここまで、仕組みに投資してきた 8 年を記してきました。
ただ、仕組みは枠組みでしかありません。その中でどう動くか、どう活用するかは、最後は本人の選択になります。マインド先行を否定したわけではなく、マインド × 仕組みの両輪が、ミライの現在地です。
選択肢が多いからこそ、自分に合う勝ち筋を選んで、最速で結果を出すことができる。この組織で結果を出すかどうかは、その選択肢を使いこなせるかにかかっています。
この 8 年に乗れるのは、こんな人かもしれません。
- 結果を出すための選択肢が多くあることを、魅力に感じる人
- 用意された選択肢の中から、最速で結果を出したい人
- 得意な人はさらに伸ばし、特性が違う領域も基準を超えていきたい人
- 自分の特性に合った勝ち筋を、仕組みの中から見つけられる人
- ミライの定義する「豊かさ」を、生徒さん・自分自身・組織に広げていきたい人
8 年前の反省が、今の仕組みになっています。次の 8 年でも、同じように「残せなかった人」が出ないように、ミライは仕組みに投資し続けます。そして、選択肢が増え続ける組織で、特性が違うメンバー一人ひとりが、自分の勝ち筋を見つけていける——その組織を、これから入る人と一緒に作っていきたいと考えています。

